【葬儀知識】米国の葬儀事情
特に葬祭業者の社会的地位の向上が図られていると言われるのが米国ならびにカナダです。
米国では、葬儀社に就職するにしても経営するにしても、見らないは別として、資格が必要です。
資格には連邦政府資格と州政府資格があり、州によりその必要な資格が定められています。
資格はフューネラルディレクターとエンバーマーの2つに分かれており、フューネラルディレクターは、通常はエンバーマーの資格も併せて保有しているケースが多いようです。
エンバーマーはエンバーミング(遺体衛星保全、遺体に対する消毒・防腐・修復・化粧の処置の総称)の技術者、フューネラルディレクターは葬祭全般の担当者で、消費者との対応はすべてフューネラルディレクターの業務です。
この2つの資格を得るためには、原則として1年以上の葬儀専門学校(または大学の葬儀学部)での履修の後、1年以上の実習を経て経験を受け、合格しなければなりません。
また、資格の更新も必要で、1回合格したら永久に有資格者となれるわけではありません。
エンバーマーになるためには、化学、細菌学、解剖学、病理学を学び、薬品や遺体処置に必要な医学的知識および処置の技術を習得します。
フューネラルディレクターになるためには、医学関係者の知識などに加えて経営実務、社会学を学ぶと共に、葬儀の歴史などの専門的知識および遺族に対応するために必要なカウンセリングや心理学についても学びます。
欧米の葬儀はまずエンバーミングから始まります。
病理等で亡くなった遺体は日本の斎場にあたるフューネラルホームに運ばれます。
遺族の9割以上がエンバーミングを望む米国では、遺族の信頼、同意の下でエンバーミングが行われます。この間、フューネラルディレクターは遺族に棺など必要な葬具を提示し、実際に見せ、葬儀をどう行うかを相談し、費用を見積もりします。
どんな音楽を使用するか、どのような花を使うかなども細かく相談しますが、このとき、フューネラルディレクターは遺族に対して情報は公開するものの、どのサービス、どの物品を選択すべきか勧めてはいけない、と法律で定められています。
消費者の選択権が完全に確保されているのです。葬儀の実質的な中心は、日本の告別式にあたるビューイング(またはビジテーション)です。
エンバーミングが済み、棺(キャスケット)に横たわった遺体と告別に訪れた人々が一人一人一定の時間内でお別れをします。
宗教的な儀礼は、フューネラルホーム内のチャペルでの葬儀式、墓地での埋葬式が一般的です。これは遺族・関係者によって営まれます。
フューネラルディレクターは、埋葬あるいは火葬までの葬儀の運営、手続きの代行を行うほか、葬儀後の遺族を訪問し、その悲嘆のケアも担当します。
米国ではサナトロジー、デス・スタディと言われる死や遺族の悲嘆を扱う学問も発達しており、この学問成果を生かすことにも熱心です。
また災害時は、フューネラルディレクターやエンバーマーが、警察、消防、医師などと共に、救急派遣の一員に組み込まれており、死者の遺体処置、搬送を担当するなど、その社会的責任は重いものがあります。
米国は土葬の国とも言われていましたが、簡素化を望む消費者の声に押され、最近では火葬が急激に増える傾向にあります。
2001年には米国で27,3%を記録し、2010年には39%になると予測されていました(CANA)。葬祭業者は専門家として社会的な地位を高めていると共に、消費者運動が活発で、消費者の強い監視の下にあるということも米国の葬祭業を囲む環境の特徴となっています。
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