【葬儀の世界】故郷に戻って執り行われるタンザニアの葬儀

query_builder 2024/02/23
世界の葬儀
タンザニアの国旗

タンザニアには、約130の民族が暮らしています。
そのため、葬儀のスタイルも民族ごとにさまざまです。
共通している点といえば、働くために都市部に出ていた方が亡くなった場合には、故郷に遺体を移送する点です。
どのような特徴があるか、見ていきましょう。

故郷に戻っての葬儀

日本で地元以外で亡くなった場合、遺族がその地に出向き、そこで火葬をして遺骨にしてから持ち帰るというのが一般的です。
遺体を長距離移送する費用は高くなるため、故郷に遺体を運ぶのはあまり現実的ではありません。
これに対して、タンザニアでは故郷に遺体を移送するのが基本です。
その費用はどう賄われているのでしょうか。
その費用の多くは、地元の村人たちの寄付で賄われています。
結婚式の寄付はなかなか集まらなくても、葬儀の費用には協力してくれるというのがタンザニア流です。
遺体を乗せたバスは寄付で運用されるので、無料で乗れると同郷の人たちがこぞって乗り込み、久々の里帰りに便乗するという話もあるから驚きです。

タンザニアの死生観と埋葬場所の関係

タンザニアでは、人が亡くなると祖先たちが暮らす別世界へと移動しますが、現世に残る子孫に対して、幸・不幸の影響を与え続けると考えられています。
悪いことが起こらないよう、さまざまな機会を設け、祖先のためにヤギやウシなどを捧げています。
こうした儀式を行うのは、生活空間の一部になっているキハンバと呼ばれる屋敷畑です。
キハンバでは、主食のバナナをはじめ、利益を得るためのコーヒーが栽培されているのが一般的です。
作物を栽培し、儀式の場となる場が埋葬地にもなります。
都市部から故郷に戻ってきた遺体は、屋敷畑に土葬され、悪いことが起こらないよう、遺族や子孫たちの手で弔いを受け続けるのです。

葬儀と埋葬

遺体が故郷に戻ると、到着した日に葬儀と埋葬がすぐに行われます。
葬儀の流れは、村の老人たちの記憶と経験に依拠します。
最近では、記憶を書き留めたノートのマニュアルが用意されている村も増えてきました。
タンザニアは独特な風習が残るものの、キリスト教が広まっているので、葬儀には神父がやってきてミサを行います。
神父の手配やミサの進行は、近隣の村人によって組織される祈祷グループが取り仕切るのが基本です。
参列者が座る長いイスがバナナの木の間を縫うように設置され、バナナ酒や食事なども用意されます。
神父がミサを終え、埋葬の段階になると極親しい親族の女性たちが涙を流します。
タンザニアでは、泣くことはあまり良くないこと、悲しみを助長させるだけといった思想があり、この場面以外で泣くことはほぼありません。
なお、兄弟姉妹は葬儀後、不幸を払わなくてはならず、埋葬から2~3日ほどは村を出ることを禁じられます。

まとめ

タンザニアでは、民族ごとにさまざまな葬儀のスタイルがありますが、故郷に遺体を移送し村の風習にもとづいて葬儀、埋葬を行うのが主流です。
実家の屋敷畑に土葬し、悪いことがもたらされないよう、子孫から供養を受け続けるという考えが根本にあります。

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