【葬儀の世界】信仰によって異なるマレーシアの葬儀

query_builder 2024/03/09
世界の葬儀
著者:花で彩るお葬式 とむらび
マレーシア国旗

マレーシアは複合民族国家なので、葬儀のスタイルは民族によって異なります。
代表的な葬儀について見ていきましょう。

マレー系の葬儀

マレー系の民族はイスラム教が主流です。
家族が亡くなると、モスク内の遺体担当に連絡が行き、離れた親族などにも報告されます。
埋葬までのスピードが速いのがマレー系の特徴です。
午前中に亡くなった場合、モスクで葬儀を行った後、午後には埋葬されます。
午後に亡くなられた場合は、翌朝には埋葬されるのが基本です。
葬儀においては、ご遺体の頭をメッカへと向け、導師が祈りを捧げます。

中国系の葬儀

中国系の葬儀は、祭壇が設けられ、比較的賑やかに行われます。
通夜から葬儀まで1週間ほど続き、昼夜を問わず、親族や知人などが弔いに訪れます。
マレー系の知人や同僚も弔問に訪れることができますが、自分たちの民族との風習の違いに、どうしたらいいか迷う方もいるようです。

ヒンドゥー教の葬儀

ヒンドゥー教では、人が亡くなると、その日時について確認し、亡くなった日時から成仏するのに最も良いとされる日時で、葬儀の日程が決められます。
成仏してあの世に渡るのは、16日目とされており、その日までベジタリアン、日本でいう精進料理を食べて過ごすことになります。
マレーシアの火葬場には、ヒンドゥー教向けの特設会場が設けられているのが一般的です。
ヒンドゥー教独特の荼毘に付す儀式や翌日に遺灰や遺骨を半分ずつに分け、遺灰を骨壺に収める儀式などが行われます。
遺灰の半分はボートをチャーターしたうえで散骨されます。
長男が役割を担い、骨壺に大きなナイフでひびを入れ、穴から散骨するという独特の方式です。
花を流した後、船上で長男に海水をかけて清める儀式が行われます。
下船したら、桟橋に骨壺に穴を開けたナイフを置き、参列者はそのナイフを左足からまたいで通らないといけません。
16日間にわたってさまざまな儀式が行われ、16日目の儀式では参列者は朝3時まで眠らず、祭司の決めた時間にお祈りを捧げる儀式を数回にわたって行います。
朝3時になったら、親族の男性陣と祭司が川のほとりに出向いて儀式を行います。
その際、男性はシヴァ神のシンボルであるシヴァリンガの3本の横線を身体中に印し、長男は禊のために髪の毛やヒゲを剃髪することが必要です。
斎場に剃髪専門の理容師もスタンバイしているほどです。
火の儀式を行ったら、川岸に向かい、故人の代わりとなるレンガを流します。
再びナイフを左足からまたぎ、故人の家に帰ってきたら、ターメリック入りのお水で両足を洗います。
さらに、ターメリックウォーターを頭に振りかけて清めて終了です。
その日のランチからは精進明けとなり、肉や魚など動物性の食品も食べられるようになります。

まとめ

マレーシアは多民族国家であり、民族による信仰によって葬儀のスタイルが異なります。
イスラム教のマレー系、中国系、ヒンドゥー教を信仰する人などがいますが、マレーシアの斎場では、それぞれのニーズに合わせた設備などが整っていることが少なくありません。

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