エジプトの葬儀事情とは

query_builder 2024/07/06
世界の葬儀
著者:花で彩るお葬式 とむらび
エジプトの葬儀事情

エジプトといえば、王様を埋葬したピラミッドの大きなお墓やミイラがイメージされ、独特な死生観があるように思えます。
エジプトでは、どのような葬儀が行われているのか、歴史や現代のスタイルを見ていきましょう。

5000年前のエジプト文明

エジプトでミイラやピラミッドが造られていたのは5000年も前のエジプト文明の時代です。
ミイラを作ったのは、亡くなった後も魂が残っており、死者と再び出会うことができるといった宗教観や死生観があったためと言われています。
もっとも、ミイラづくりや豪華な墓を建てられたのは王家や極一部の貴族に限られていました。

迅速さが求められる葬儀

エジプト文明の歴史は3000年あまりにわたって続きましたが、紀元前30年にローマ帝国によって滅亡させられます。
その後、7世紀にはイスラム化が進んでいきました。
現在、エジプトの国民の約94%がイスラム教徒となっており、葬儀もイスラム教にもとづいて行われています。
イスラム教では、人が亡くなると24時間以内に故人を埋葬するという厳しいルールが設けられています。
そのため、葬儀はスピーディーに行うのが基本で、日本のように通夜と告別式が2日間かけて行われることはありません。

葬儀の流れ

人が亡くなると、自宅で湯灌され、香油で浄められます。
白や緑の布で巻かれて、棺に納められますが、巻かれる姿はミイラを彷彿させるかもしれません。
富裕層は遺体を巻く布にシルクやカシミヤなどの高級布を用いると言います。
棺をモスクに運びこみ、極めて簡単な葬儀を行うと、共同墓地を目指して出棺します。

イスラム教の教えと葬儀

イスラム教というと、1日に何回も礼拝をすることやラマダンを行うなど、非常に信仰深いので、葬儀もさぞかし時間をかけてさまざまな儀式を行うように思われるのではないでしょうか。
ですが、実際には極めてシンプルで短時間で終わります。
なぜかというと、イスラム教では死は終わりを意味しません。
一つの通過点に過ぎず、最後の審判まで眠りについた状態だと考えます。
最後の審判を迎えると、復活して天国へ行けると考えられており、葬儀は極シンプルに済まされ、すぐに埋葬が行われます。

死者の街の歴史

イスラム教にもとづくスピード葬儀、スピード埋葬がエジプトに浸透していくと、エジプトではイスラム教の特別な休日がくると、祖先の魂と過ごし、暮らすという風習が生み出されます。
この風習によって生まれたのが、ムカッタムの丘の下に広がる死者の街と呼ばれるエリアです。
家族が滞在できるリビングやキッチン、寝室などが備わった建物の地下に一族のご遺体が男女別に分けて眠っています。
一部の富裕層で行われていたものですが、イスラム教の中に、紀元前のエジプト文明の歴史が入り込んだような営みです。
こうした風習は中世頃から20世紀に入っても続いていました。

まとめ

エジプトでは、古くは一部の富裕層の間で行われていたミイラ化やピラミッドを造って死者を弔う時代もありましたが、イスラム化してからは、イスラム教の教えにもとづき、速やかでシンプルに葬儀、土葬を済ませるスタイルになっています。

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