人気のリゾート地フィジーの葬儀や埋葬事情
フィジーは太平洋に浮かぶ島の一つで、美しい海に囲まれた世界的にも人気の観光リゾート地です。
フィジーでは、どのような葬儀や埋葬が行われているのか見ていきましょう。
フィジーの民族構成と宗教
フィジーは、先住民であるフィジー人が7割弱、後からフィジーに移り住んできたインド系が4割弱で構成されています。
フィジー人はほぼ100%がキリスト教徒ですが、インド系は8割ほどがヒンドゥー教で、2割ほどはイスラム教になっています。
信仰の違いが葬儀や埋葬法にも表れるため、民族によって方式が異なるのが特徴的です。
キリスト教徒であるフィジー人は、教会でキリスト教式の葬儀を執り行った後、遺体を墓地に運び、最後の祈りを捧げて土葬されます。
インド系で多いヒンドゥー教徒の場合、自宅などでヒンドゥー教式の葬儀を行った後、海辺にある焼き場で火葬され、海に散骨されるのが一般的です。
ヒンドゥー教では水葬が基本で、本国のインドではガンジス川やガンジス川へとつながる川へ遺灰が流されます。
フィジーに暮らしている方はガンジス川には流せないので、周囲を取り囲む海に散骨するのです。
葬儀から火葬へ
葬儀業者は基本的にいないので、葬儀の準備や料理の準備は家族や親族がすべて行わなくてはなりません。
葬儀が済むと、フィジーではキリスト教徒なら墓地へ、ヒンドゥー教徒なら火葬場へと警察官が先導してくれ、埋葬や火葬の立ち会いもしてくれます。
ここからは、ヒンドゥー教徒のケースで見ていきましょう。
火葬場は海岸沿いにあるのが一般的です。
火葬にはヒンドゥー教の教えにより、女性は立ち会うことができず、男性のみが立ち会います。
火葬場といっても、日本のような屋内の高炉などではなく、コンクリートの床に鉄柱を立てて屋根を乗せたオープンスペースで、そこに丸太を組んだ焼き場を設けた簡素な造りです。
ヒンドゥー教の習わしで、白い布に包まれた遺体を棺から取り出すと、頭を西方に向けて焼き場に安置します。
日本では棺ごと火葬されますが、フィジーでは遺体のみを火葬します。
これはフィジーの経済的な事情も関係しており、棺を買えない人も多いので、棺はレンタルで使い回しをするためです。
遺体の上に薪を乗せたら、最後の祈りを捧げ、すぐに点火されます。
着火後にバターから作ったギーと呼ばれる高級油や砂糖をかけるのも特徴的です。
儀式的な意味合いもありますが、ギーや砂糖をかけることで火力を増すことができます。
日本とは異なり、ご遺体の火葬が完了するまで待つことはありません。
火葬場のスタッフから明日の×時に来るようになどと案内されるので、翌日取りに行きます。
時間をかけて焼かれたご遺体は遺灰と化しています。
もっとも、遺灰の上からミルクを2リットルほどかけると、わずかに残されている遺骨が浮かび上がってくるのです。
遺骨は容器へと拾い上げます。
その後、遺灰を海へと散骨します。
まとめ
フィジーでは、信仰する宗教によって葬儀の様式や埋葬法が異なります。
先住民であるフィジー人はキリスト教徒が多く、教会でミサを行った後、墓地で土葬します。
これに対して、インド系のフィジー人はヒンドゥー教の割合が多いです。
ヒンドゥー教では火葬をした後、海へ散骨します。
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