貧困に悩むハイチの悲しき葬儀事情
ハイチ共和国は、年にわたる政情不安や大規模地震といった自然災害も発生するなどし、下水道などの社会インフラも満足に整備されていません。
衛生状態なども悪く、西半球一の最貧国と位置付けられています。
そんなハイチにおける葬儀事情について見ていきましょう。
ハイチの宗教
葬儀は信仰によっても影響を受けるため、まずはハイチの宗教について見ていきます。
ハイチは、カトリックおよびプロテスタントのキリスト教が広く浸透しており、敬虔な信者も多く、週末には日曜礼拝のために多くの人が教会に集まります。
また、洋装の正装をまとい、教会で結婚式を挙げる場合や葬儀を行うケースも見られるようになりました。
一方、アフリカの祖先からの流れを汲むヴードゥー教という伝統的な宗教も根付いています。
2003年には、アリスティド大統領による大統領令により、ヴードゥー教が宗教として認められました。
大統領令5条では、民事裁判所で宣誓をしたヴードゥー教の最高指導者をはじめ、寺院や聖地の責任者は、洗礼・婚姻・葬儀を執り行うことができるとされました。
ヴードゥー教では、聖職者によるお祓いのような独特の儀式が行われ、聖水が撒かれたり、信者の女性たちが踊りを舞ったりします。
貧困と葬儀
もっとも、キリスト教式の葬儀を行えるのは富裕層であり、ヴードゥー教で葬儀ができるのも比較的安定した生活を送れている人たちです。
首都ポルトープランスには、ランテルモン(葬儀)通りと呼ばれる、葬儀場が建ち並ぶ通りがあります。
最も安い葬儀場でも1,100ドルとなっており、一般庶民にはとても手が届きません。
なぜなら、ハイチの多くの人が1日あたり2ドル以下の生活を余儀なくされているからです。
単純計算で550日分の生活費を、葬祭費用に充てなくてはなりません。
そのため、ハイチでは都市部などを中心に葬儀を挙げるお金もなく、道端に遺体を捨てるケースも少なくありません。
砂漠に遺体の山ができ、野ざらしにされているなど悲惨な状態で、衛生状態にも問題がありました。
そこで、最貧困層を助けるべく、慈善団体ハイチのための聖ルカ基金が2000年に起ち上がりました。
カトリックの神父であり、医師でもある米国人のリック・フレシェット氏が起ち上げた団体です。
かつては孤児であり、神父を父親のように慕う若者たちを中心に埋葬チームが結成され、捨てられた遺体や葬儀をするお金がなく引き取り手のない遺体を病院や葬儀場の遺体安置所から引き取りを行っています。
引き取られた遺体は、チームメンバーの手で丁寧に棺に納められ、名もなき墓地に埋葬されるのです。
墓石こそありませんが、棺に入れられ、墓を掘って埋葬され、フレシェット神父や修道女たちによる厳粛な祈りと讃美歌で見送られます。
亡くなった方の尊厳を可能な限り尊重したいという想いがあります。
まとめ
ハイチでは、富裕層はキリスト教式や葬儀場での葬儀ができますが、貧困層は遺体を道に捨てるケースさえあるのが実情です。
遺体を引き取り、葬儀、埋葬する団体も存在しています。
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