遊牧民族の伝統が残るカザフスタンの葬儀事情

query_builder 2024/07/06
世界の葬儀
カザフスタンの葬儀事情

カザフスタンというとロシアの近くといった知識くらいしかないといった方もいるかもしれません。
カザフスタンは、1991年に旧ソ連邦から独立した中央アジアに位置する国です
困窮を極めた旧ソ連末期の時代を経験したため、独立当初は貧しい国でした。
ですが、産油国として飛躍的な経済成長を遂げた国でもあります。
そんなカザフスタンでは、どのような葬儀が行われているのか見ていきましょう。

民族と宗教の割合

カザフスタンには、さまざまな民族が暮らしており、信仰する宗教もさまざまです。
民族としてはカザフ系が約7割、ロシア系が約2割、そのほかウズベク系をはじめ、ウクライナ系やウイグル系、タタール系、ドイツ系などの少数民族で構成されています。
カザフ系のカザフ人はもともとは遊牧民でしたが、現在は生活基盤も定着し、都市部で暮らすか、農耕を営んでいる方が多いです。
宗教はイスラム教徒が約7割、ロシア正教が3割に満たない程度で、イスラム教徒が多いです。
もっとも、ほかの地域のようにイスラム教の戒律を厳格に守る人は少なく、穏やかに実践されている形となっています。

最後のお別れを優先

カザフスタンで約7割を占めるイスラム教徒の葬儀について見ていきましょう。
ご遺体は少なくとも1日は自宅に安置され、親族や友人、近所の人たちが最後のお別れにやってきます。
親族が遠方に住んでいる場合や別の国に住んでいる場合などは最大で7日ほど自宅で待つと言います。
本来、イスラム教では24時間以内に土葬するというルールがあるので、最後の別れの時間をしっかり取るのはカザフスタン流です。

葬儀の流れ

イスラム教では、ご遺体を同性の親族が浄め、知識のある人がボランティアでサポートするのが一般的です。
カザフスタンでは親族は行わず、遺体を浄める役割を担う人が行い、遺族からお礼としてお金か、新しい服が与えられます。
イスラム教の司祭がお祈りを行い、参列した男性たちがイスラムのお経を唱えるのです。
葬儀が済むと、棺を墓地へと運び、埋葬されます。
イスラム教では男性しか埋葬に立ち会えず、女性は自宅で待たなくてはなりません。
ですが、カザフスタンでは、近年は女性が埋葬に参列するケースも増えてきました。
また、イスラム教では土葬が基本ですが、都市化が進む首都のアスタナでは墓地用地が不足していることもあり、火葬されるケースも増えています。
なお、カザフスタンでは民族にもよりますが、埋葬時に参列者に謝礼金を渡すケースも多いです。
埋葬後は自宅に戻って、会食の機会を持ち、参列者に飲食のもてなしが行われます。
庭がある場合、ユルタと呼ばれる遊牧民族伝統のテントを建てて行われるケースも多く、ここにも民族性が現れています。
食事には、こうした日のために大切に育ててきた羊や馬などを料理に用いるのが一般的です。

まとめ

カザフスタンは、国民の約7割がカザフ人、約7割がイスラム教徒という構成です。
もっとも、葬儀や埋葬法は、イスラム教に厳格に則ったものではなく、遊牧民としての伝統や風習などが融合したカザフスタン流となっています。

NEW

  • セネガル共和国の葬儀の流れ・服装や香典などのマナーをご紹介

    query_builder 2024/07/13
  • 紅茶の国スリランカの葬儀事情とは

    query_builder 2024/07/12
  • ゆりかごから墓場までスウェーデンの葬儀事情

    query_builder 2024/07/12
  • ザンビアの葬儀はどのように行われている?

    query_builder 2024/07/11
  • イスラム教の聖地であるサウジアラビアの葬儀

    query_builder 2024/07/11

CATEGORY

ARCHIVE