イスラム教の聖地であるサウジアラビアの葬儀
サウジアラビアというと、世界有数の石油大国であり、オイルマネーで潤っている王族が派手な暮らしをしているイメージがあるかもしれません。
サウジアラビアでは、どのような葬儀が行われているのか見ていきましょう。
イスラム教の聖地
サウジアラビアは、石油や王族のイメージが強いですが、世界的に信者が多いイスラム教の発祥の地であるメッカがある場所です。
イスラム教は7世紀初めにサウジアラビアの地で、ムハマンドが提唱したもので、アッラーの神の教えに帰依する厳格なルールが定められています。
現在では、世界に16億人を超える信者がいるとされ、世界三大宗教の一つに数えられるまでに成長しました。
サウジアラビアにあるメッカには、世界各地から巡礼者が訪れます。
24時間ルール
イスラム教では、人が亡くなると、原則として1日以内、24時間以内に埋葬する教えが定められています。
イスラム教の発祥の地や最初に広まっていったエリアの気温が高く、遺体が傷みやすいという事情もありますが、速やかに土葬に付すという教義が定められているのです。
火葬はNGで、土葬をすることが必要となります。
なぜかというと、イスラム教では死後に最後の審判が行われて、天国へと召されますが、最後の審判を受ける際に生前の肉体が失われてはならないためです。
そのため、火葬して遺灰にしてしまうことが禁止されています。
遺体の扱い方
人が亡くなると、土葬に向けて速やかに動かなくてはなりません。
まず、自宅で湯灌がなされて遺体をきれいにします。
遺体を洗うのは同性の親族または専門業者であり、異性が行うことは基本的には認められていません。
ただし、夫婦や親子であれば問題ありません。
遺体をきれいにした後は、遺体を白い綿布で覆います。
さらに手や足、頭を縛るカファンが行われます。
土葬後の葬儀
24時間以内に土葬という教義が定められているので、葬儀より土葬が優先です。
そのため、サウジアラビアでは、土葬を行った後に葬儀を行うのが一般的です。
モスクで行われますが、葬儀礼拝は遺体が目の前になくても問題ありません。
葬儀初日は合同礼拝が行われ、その後数日間続いていきます。
イスラム教の教えでは、男性と女性は基本的に別に行動することが求められるので、葬儀の際も男性はモスクの礼拝に参加できますが、女性は遺族と一緒に後ろで礼拝を行うか、故人や遺族の家で待つのが一般的です。
王族もシンプルに
石油王のアラブの王族は、盛大に葬儀を行い、豪華な墓に埋葬されると思われるかもしれません。
ですが、イスラム教徒である以上、王族でも大きな違いはありません。
サウジアラビアのアブドッラー・ビン・アブドルアジーズ・アール・サウード国王が亡くなられた時も、棺に入れられることはなく、黄色い布で作られた簡単な死に装束をまとった状態で、一般国民と同じ共同墓地に土葬されました。
土を盛り上げて墓を造ることもせず、上に砂利を薄く敷いただけで、墓碑も立てられていないと言います。
国王ですらシンプルで簡素な葬儀が行われるのは、イスラム教のスンニ派に伝わるイスラム原理主義ワハビズムの伝統を実践しているためです。
スンニ派指導者のムハンマド・ビン・アブドゥル・ワハブが創始したワハビズムは、イスラム教の中でも厳格な生活を提唱する宗派です。
サウジアラビアは、1932年初代国王の手によってワハビズムを基盤に建国されています。
そのため、世界的な石油大国となり、オイルマネーが潤沢にある現在でも質素を旨としており、歴代の国王のすべてが平民墓地に埋葬されています。
まとめ
サウジアラビアは、イスラム教の発祥のちであり、厳格なイスラム教の教義に則った葬儀が行われています。
まずは遺体を洗浄して布に巻き、24時間以内に土葬を行ってから、モスクで葬儀礼拝が行われる流れです。
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