葬儀の見積もりの重要性　内訳と確認すべき注意点を解説

葬儀の見積もりを事前にとっておくことは、トラブルを防ぐための大切な準備となります。

国民生活センターに寄せられた「葬儀サービスの年度別相談件数」を見ると、年間600件以上の葬儀にまつわる相談が寄せられており、いずれも「合意していないサービスの請求」「高額な追加代金」など、料金にまつわる内容が目立ちます。
参考：https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/sougi.html

国民生活センターは2015年に葬儀での料金トラブルの拡大防止を呼びかけており、以下のようなアドバイスを公表しています。

・葬儀への希望やイメージを考えた情報収集
・葬儀社との打ち合わせは複数名で行う
・見積書の確認
参考：独立行政法人国民生活センター「大切な葬儀で料金トラブル発生！－後悔しない葬儀にするために知っておきたいこと－」
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20151217_1.html

このように、国民生活センターでも葬儀の見積もりなどの事前準備を推奨しているのです。

葬儀のかたち・費用は人それぞれ異なり、ひとつとして同じものはありません。葬儀社で提供しているプラン通りになるとは限らないため、見積もりが重要になるわけです。

近年は葬儀の形式も多様化しており、故人・遺族の希望によって式のかたちは大きく様変わりします。

また、参列者の人数やご遺体の安置日数なども葬儀の費用を変動させる要因となります。多くの葬儀社がホームページやパンフレットにプラン料金を掲載していますが、これはあくまで概算であり、多少の増減は起こりうると認識しておきましょう。

多くの葬儀社は、「家族葬プラン」や「火葬式プラン」といった具合に、葬儀の基本プラン（セット）を提供しています。

これは葬儀を執り行うのに最低限必要なものをまとめたものであり、祭壇や棺、搬送代、スタッフの人件費、ご遺体の安置費用などが含まれます。

ただし、基本プランに組み込まれている内容は、葬儀社によって異なります。例えば弊社「とむらび」では、他社だと数万円のオプションとなるお花を基本プランに含めています。

見積もり時は料金だけでなく、内容も確認したうえで比較・検討してみましょう。

接待費は「精進落とし」などの飲食代や、「香典返し」などの返礼品を指し、参列者の人数によって変動する項目です。

見積もりの段階では予想される参列者の人数で計算し、葬儀後に確定する金額となります。

葬儀社では自社の強みを活かして、オプションとして様々なサービスを提供しています。具体的には、湯灌や花飾り、映像編集、楽器演奏など様々です。

葬儀は地域ごとの風習が色濃く表れるため、特定の地域では必須となるサービス（オプション）なども存在します。

一方で、希望もしていないのにこうしたサービスを強引に提供してくる葬儀社もありますので、やはり見積もりによって事前に確認しておくことが大切になります。

お布施は宗教者への感謝の気持ちとして包むもので、明確な金額の決まりはありません。そのため、葬儀社の見積もりには含まれず、金額も戒名のランクや葬儀の形式によって異なります。

また、近年では無宗教で執り行うご家族も増えており、宗教者へのお布施を必要としない葬儀も少なくありません。

火葬代は葬儀社に支払う費用ではないため、見積もりには含みません。なお、火葬にかかる費用は地域によって異なり、公営施設か民営施設かによっても異なります。

【神奈川県】
・川崎市：￥6,750円
・横浜市：￥12,000円

【東京都】
・民間斎場：￥75,000円
・臨海斎場：￥40,000円
※世田谷区・目黒区・大田区・品川区・港区の区民料金

【千葉県】
・千葉市：￥6,000円
・成田市：無料
・八街市：無料

事前により正確な葬儀費用を把握しておきたい場合は、火葬代を含めて計算しておくと安心です。

葬儀業界で共通の見積もり書があるわけではないので、業者によって見積もりの内訳が異なります。

とくに「セット」「一式」といった表記は、何が含まれているのかまで確認すると安心です。

明らかに相場よりも安い場合などは、本来はセットとして含めるべき項目を意図的に除外している可能性もありますので気をつけましょう。

見積もりでは金額だけでなく、祭壇や仏具のグレード（ランク）まで確認してみましょう。相見積もりを行うと、見積もり上では同じ料金だったとしても、祭壇や仏具の現物を比較すると、グレードに差が生じている場合があります。

見積もり時はあわせてパンフレットなどで仕上がりまで提示してもらい、金額に見合っているかを確認するとよいでしょう。