湯灌は納棺前に遺体を洗い清める儀式で、古くは『日本書紀』にも記述が見られます。映画『おくりびと』より注目され、現在は多くの葬儀社で有料オプションとして提供されています。
現在の葬送の文化では必ずしも行うべき儀式ではないため、その意味と必要となる費用などを含めて検討してみましょう。
湯灌とは
湯灌とは、納棺の前にご遺体を入浴によって洗い清める儀式です。神道での葬儀でも「沐浴」として、同様の儀式が行われます。
湯灌は映画『おくりびと』から注目されるようになりましたが、古くは『日本書紀』から沐浴の記述があるとされ、江戸時代では一般的な儀式として行われ、『東海道中膝栗毛』にもその記述が見られます。
故人が成仏できるよう現世の汚れを洗い落とすという目的で行われたものですが、「長く床に臥せっていた故人をお風呂に入れてあげたい」といった遺族の希望を叶える意味もあります。
なお、湯灌は必ず行うべきものではなく、葬儀社でのプランでも基本的に有料オプションとして位置づけられています。
湯灌を行うのは遺族または専門業者
歴史的に湯灌は、遺族や近隣住人(隣組など)によって行われてきました。現在も地方によっては、この風習が営まれているといいます。
近年では、葬儀社がオプションやサービスとして行うのが主流となってきています。湯灌専門の業者(湯灌師)がおり、多くは委託によって実施されます。
なお、業者(湯灌師)によって湯灌が行われる場合、遺族の立ち会いも可能です。
湯灌を行う場所
湯灌を行う場所について、特に決まりはありません。スペースがあれば自宅でも可能で、湯灌の設備が整っている斎場や安置施設で行われる場合もあります。
業者によっては、持ち運びが可能なバスタブなどの一式を用意してくれるので、場所を選ばずに実施できるといえるでしょう。
湯灌の料金
湯灌の料金は、業者や内容(遺族の希望)、斎場(安置施設)で実施できるかなどの条件によって差があります。
相場としては10万円から20万円ほどとなり、基本的な葬儀プランとは別途で費用が必要になることがほとんどです。
湯灌とエンゼルケアの違い
エンゼルケアはご逝去後に行う死後措置のことで、広義では湯灌もエンゼルケアに含まれます。
ただ、一般的にエンゼルケアと言うときは、病院で亡くなった際に看護師が行ってくれる清拭や治療痕の手当などを指します。なお、日本にはエンゼルケアにまつわる法律がないため、実施される内容は病院によって異なるのが現状です。
場合によっては簡易的なシャンプーを実施してくれる施設もあるようですが、湯灌は病院に対して求めるものではないので注意しましょう。
湯灌の流れ
湯灌の流れや詳細は業者によって異なりますが、おおよそ以下のような流れで行われます。時間の目安は1時間~1時間半ほどとなります。
ご遺体のマッサージ
死後硬直をほぐすように、マッサージをほどこします。
湯灌師による口上
湯灌にあたり、湯灌師による口上(儀式の流れや説明)が述べられます。
ぬるま湯によるお清め
ぬるま湯でご遺体のお清めします。このとき、温度の調節は「逆さ水」によって行われます。
普通であれば、風呂の温度調整はお湯に水を足すことで行いますが、湯灌ではあえて水にお湯を足すことで温度調整を行います。死後の世界は現実と真逆の世界とされ、日常とは逆の手順を踏むことで、非日常の行為を行っていると線引きするのです。
葬儀では他にも、「屏風を逆さに立てる」「逆さ着物」などの「逆さ事」が存在します。
顔と髪のお手入れと洗体
洗髪や顔剃りなどのお手入れを行い、全身のお清めを行います。
着付けと化粧
お清めの後、着付けを行います。白装束を纏うこともあれば、故人の愛用品を着付けることもあります。
あわせて、故人のお顔を整えるための化粧が施されます。これは純粋な意味でのメイクに限らず、故人の顔色に合わせて血色よく見えるよう整える意味合いもありますので、性別を問わず行われます。
まとめ
湯灌は歴史ある儀式ではありますが、近年ではあくまでも葬儀プランのオプションという位置づけであり、必ずしも行うべきものではありません。
必要以上に湯灌を勧める業者もありますが、遺族のあいだでしっかりと話し合ったうえで検討するとよいでしょう。
弊社「とむらび」でも湯灌を承っていますので、お気軽にご相談ください。
筆者の経歴
花で彩るお葬式「とむらび」は、代表取締役の平井旭彦が葬儀業界歴20年の中で感じていた『ご遺族に寄り添った葬儀・お葬式を低価格提供し、故人様らしい花祭壇で彩るサービスをしたい。』との思いから、2016年11月1日に川崎市宮前区有馬で創業した葬儀社です。
※川崎市をはじめ、横浜市の葬儀経験も豊富な葬儀社です。
目次
花で彩るお葬式「とむらび」
住所:神奈川県川崎市宮前区
有馬9丁目3−14 弥生ビル 1F
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