初七日法要の意味 儀式の流れと繰り上げ法要への変化
初七日法要はご逝去日から数えて7日目に行う法要ですが、近年では葬儀の日にまとめて行うケースが増えています。
そのため、初七日法要の意味や流れも曖昧になっており、促されるままに行う方が多い儀式となっています。
今回は初七日法要の意味や流れ、繰り上げ法要への変化などについて解説していきます。
初七日法要とは
初七日法要とは、ご逝去日から数えて7日目に行う法要です。命日を1日目と数えるため、初七日法要は亡くなってから6日後に執り行われます。
仏教では、ご逝去から7日ごとに極楽浄土へ渡るための審判が下されるとされ、初七日は三途の川の渡り方が決まる日となっています。三途の川の渡り方は、生前の行いによって決まります。善行を積んでいれば橋の上や流れの緩やかな場所を渡れますが、行いによっては流れの激しい場所を渡ることになります。
ただ、遺族が法要を営むことでも故人の善が積まれるとされ、故人に良い審判が下りやすくなります。これを「追善供養」といい、例えるなら法要は「裁判における嘆願書」と考えればわかりやすいでしょう。
つまり、初七日法要は故人が無事に三途の川を渡れるよう、祈りを捧げる場なのです。
※宗旨宗派によって、初七日法要の考え方は異なります
初七日法要の流れ
初七日法要の流れは、僧侶の読経のあとにお焼香を行い、喪主による簡単な挨拶で閉式となります。参列者の人数にもよりますが、30分ほどで終わる簡単な儀式です。
その後、精進落としを行う場合があります。本来、精進落としは四十九日法要(忌明け)で行うものであり、初七日法要のあとに行う必要はありません。
しかし近年の精進落としは、参列者や僧侶への感謝の意として振る舞う食事と位置づけられており、後述する「繰り上げ法要」のあとに精進落としを行うケースも増えています。
※精進落としについては「葬儀後の精進落としの意味 マナーや料理の選び方を解説」で詳しく解説しています。
初七日法要の準備
初七日法要を行うにあたり、確認しておくべきことや準備について解説します。
初七日法要を行う場所
初七日法要を行う場所は、菩提寺、斎場、故人の自宅などが候補となります。葬儀よりも小規模に行うことがほとんどなので、大きな斎場を押さえる必要はありません。
初七日法要に呼ぶ人
初七日法要に参列していただく方は、基本的に親族が中心です。葬儀とは異なり、親族間でも「呼んだ・呼ばれなかった」のトラブルになることはほとんどないでしょう。
初七日法要での服装
初七日法要での服装は、喪服が基本となります。ただ、近しい親族のみで執り行う場合がほとんどですので、喪主の判断でダーク系のジャケットと無地のシャツなどの平服とすることも多いようです。
初七日法要でのお布施
初七日法要は葬儀とは異なる儀式であるため、お布施が別に必要となります。金額は地域やお寺との付き合いにもよりますが、3万円程度が目安となります。
なお、後述する繰り上げ法要の場合、法要のお布施は葬儀のお布施に含めてお渡しするかたちと、別に初七日法要のお布施として用意するかたちで対応が分かれています。
繰り上げ法要自体の歴史が浅いため、どちらが正しいマナーかは断定できません。不安があれば、担当の葬儀社へ相談してみるとよいでしょう。
繰り上げ法要とは
初七日法要はご逝去から7日目に執り行うものですが、近年では葬儀の日に合わせて初七日法要を済ませるケースが増えています。
火葬後に法要を行うことを「繰り上げ初七日法要」といい、葬儀に続けて法要を行うことを「繰り込み初七日法要」と呼びます。
なお、葬儀社やお寺、地域によっては一括りに「繰り上げ法要」と呼ぶ場合があります。繰り上げ初七日法要または繰り込み初七日法要を希望される場合は、「どのタイミングで法要を行うか」について、しっかりと確認しておきましょう。
繰り上げ法要が増える背景
初七日法要を葬儀の日に合わせて執り行う理由は、大きく2つあります。まず問題となるのが、火葬場の空き状況です。
近年、首都圏を中心として火葬待ちが社会問題となっており、季節や情勢によっては火葬のために一週間ほど順番待ちをしなければならない地域もあります。
※火葬待ちの問題については「ご遺体の安置 神奈川やコロナ禍で深刻化する火葬待ちの問題」で詳しく解説しています。
そのため、葬儀の日がずれ込んでしまい、本来の初七日法要の日(ご逝去から7日目)に葬儀を行うケースも少なくないのです。
もう一つは「親族が遠方に住んでいる」「仕事の休みを何度も取れない」といった事情から、一日で葬儀と法要を済ませたいという要望が増えているためです。これも葬儀の簡略化のひとつといえるでしょう。
繰り上げ初七日法要の特徴
繰り上げ初七日法要では、火葬を終えたあとに葬儀場やお寺などへ移動して、法要を執り行います。火葬まで終えた後に法要を行うので、本来の初七日法要に近い段取りとなります。
しかし、葬儀、火葬、法要を一日で終えることから、全体での拘束時間が長くなるという問題があります。
とくに法要のあとに精進落としまで行うと、葬儀の開始時間によっては解散が夜になることも少なくありません。遠方の親族のために繰り上げ法要としたのに、結局、途中で席を外すことになった……ということも起こりえます。
また、ご高齢の参列者にとっては、度重なる移動と長い拘束時間が大きな負担になりがちですので、やはり注意が必要です。
繰り込み初七日法要の特徴
繰り込み初七日法要では、告別式のあとに続けて法要を執り行います。繰り上げ法要と異なり、移動の手間を増やすことなく法要を済ませることができるため、参列者の負担になりません。
ただ、初七日法要は本来、火葬を終えた後に執り行う儀式であるため、お寺や地域によっては認められていない場合があります。
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